TOKYO嚢物展

BAG MAKERS TOKYO PRESENTATION 2023/1/27(金)〜28(土) 10:30〜18:00 銀座伊東屋B1 Inspiration Hall 東京都中央区銀座2-7-15

嚢物は、時を超える。今日をときめかせる

2023 INSPIRE DESIGN / INTRODUCTION

東京のバッグ、革小物づくりのルーツである江戸末期の嚢(袋)物。
その一つひとつが江戸の暮らしと、職人たちの優れた技を伝えてくれます。

【TOKYO嚢物(Fukuromono)展】は大切に保存されてきた貴重なアーカイブと、江戸の嚢物にインスパイアされたクリエイターの作品を並列展示した展覧会です。

クリエイターの感性を精緻な技術で仕上げたのは【BAG MAKERS TOKYO】。
伝統を守り新しい革新に挑む、東日本バッグ工業組合によるプロジェクトです。
嚢物がつなげる江戸と現代、時を超えて出会ったバッグの世界を感じてください。

※地図のアイコンをクリックすると詳細をご覧いただけます。

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  • 1

    ARCHIVE

    提提灯入火打石提物付灯入

    ちょうちんいれひうちいしさげものつき

  • A

    INSPIRE DESIGN

    繊⽉

    せんげつ

  • 2

    ARCHIVE

    煙草入

    たばこいれ

  • 3

    ARCHIVE

    早道

    はやみち

  • B

    INSPIRE DESIGN

    三⽇⽉

    みかづき

  • 4

    ARCHIVE

    腰堤

    こしさげ

  • 5

    ARCHIVE

    三徳腰提

    さんとくこしさげ

  • C

    INSPIRE DESIGN

    弦⽉

    げんげつ

  • 6

    ARCHIVE

    浅葱ビロード地梅花文縫筥迫

    あさぎびろーどじばいかもんぬいはこせこ

  • 7

    ARCHIVE

    銭入

    ぜにいれ

  • D

    INSPIRE DESIGN

    ⼗三夜⽉

    じゅうさんやづき

  • 8

    ARCHIVE

    化粧袋

    けしょうぶくろ

  • 9

    ARCHIVE

    飯盒入れ

    はんごういれ

  • E

    INSPIRE DESIGN

    満⽉

    まんげつ

  • 10

    ARCHIVE

    雑嚢

    ざつのう

  • 1ARCHIVE

    提提灯入火打石提物付灯入

    ちょうちんいれひうちいしさげものつき

    江戸中期

    提灯を内部に仕込ませ、手提げ部を持って使用した。火起こしに使う火種も一緒に持ち歩く。使わない時は折り畳んで小さく収納が可能。「王将」の駒の形の根付が付属し、時代を表す江戸文字が見られる。

  • AINSPIRE DESIGN

    繊⽉

    せんげつ

    ⽇が沈んだあとに浮かぶ、⽷のように⾒えることがある細い ⽉。江⼾期に持ち歩いていた⾹袋や銭⼊れなど、⼩さなものを持ち歩くための袋物が、BAG MAKERS TOKYOの技術によって現代のポーチとして蘇る。

  • 2ARCHIVE

    煙草入

    たばこいれ

    江戸後期

    煙草入れ、煙管(きせる)入れ製作から、ハンドバッグ・革小物作りの歴史が始まる。この時代には様々な煙草入れが登場し、前金具や緒締玉などにもこだわりが。キセル筒に煙管を収納し、胴体の叺(かます)には刻み煙草を入れ持ち歩く。筒の素材は他にも竹筒や鹿角などが使われる。

  • 3ARCHIVE

    早道

    はやみち

    明治初期

    早道とは飛脚の別称。当時小銭はすぐに取り出せるよう早道に入れ、筒の中には高額銭などを隠し入れた。円筒形の部分を帯にはさんで腰に提げる。革製でほとんどが男物として使われた。足袋に使われるコハゼで留め、蓋の裏側には菊寄せらしき仕立ても残る。

  • BINSPIRE DESIGN

    三⽇⽉

    みかづき

    さまざまな物語や歌に登場する有名な⽉。⽇没後の⻄の空にかかる。その細く輝く姿から「⽉の剣」とも呼ばれる。江⼾期に腰に下げていた早道のように、現代のウエストポーチとして卓越した技術により創り上げられた。

  • 4ARCHIVE

    腰堤

    こしさげ

    明治中期

    シボのある黒い革をサントメ革と呼んでいた。明治初期に鞄類の輸入が始まり、市場に口金物が広がる。腰提にも口金が用いられ、以降様々な口金やがま口が流行した。口元の小さなオコシの金具や、鹿角の造形にも注目したい。

  • 5ARCHIVE

    三徳腰提

    さんとくこしさげ

    江戸末期

    紙入れから、小銭を入れる懐中用の袋物として三徳へと形を変える。黒いシボのある革をサントメ革と呼んでいた。「三つの徳用がある」という意味があり、収納箇所が細かく分かれている。前金具には遊び心のある昆虫の意匠が。また内装の裏地には本人しかわからない華やかな柄地があしらわれている。

  • CINSPIRE DESIGN

    弦⽉

    げんげつ

    新⽉から満⽉へと移り変わる中間に位置し、美しい姿を⼸に張った弦になぞらえた呼び名で親しまれている。江⼾期に⼀切合才⼊れる袋物としての合才や半懐中から、現代の職⼈の⼿によってクラッチバッグとしてアップデートされた。

  • 6ARCHIVE

    浅葱ビロード地梅花文縫筥迫

    あさぎびろーどじばいかもんぬいはこせこ

    江戸末期

    筥迫は、武家の女性たちが鏡や紅筆等を入れる懐中物として流行した。女性の正装の際には欠かせないものとなり、持ち主の地位を示すアクセサリーでもあった。胴〆と本体が柄合わせとなっており、羅紗や金襴など華やかな刺繍を施したものが多い。

  • 7ARCHIVE

    銭入

    ぜにいれ

    江戸中期

    もとは「紙入れ」と呼ばれ、懐紙などを収納しておくものから徐々に銭入れへと変化した。これは金唐革で作られ大変豪華な一品。かぶせを開けると鮮やかな光沢がいまだに残る。渦巻き型の金具は指で回転させ、先端を環に差して留める仕組み。

  • DINSPIRE DESIGN

    ⼗三夜⽉

    じゅうさんやづき

    これから満ちる、縁起のよい⽉。⼗三夜の⽉⾒の⾵習は⽇本で⽣まれた。完璧ではない未完成ゆえの美しさが、⽇本⼈の⼼に響いたのだろう。江⼾期の握りからインスパイアされ、現代のハンドバックとしてデザインした。

  • 8ARCHIVE

    化粧袋

    けしょうぶくろ

    江戸中期

    亀甲紋の印伝革と型押し彩色革との組み合わせ。六角形の亀甲紋が入った巾着型の化粧袋。めでたい亀の甲羅をかたどった亀甲には、六方に亀の恵みが及ぶという意味がある。今尚鮮やかな桃色が残り、若い女性の持ち物だったことが伺える。

  • 9ARCHIVE

    飯盒入れ

    はんごういれ

    江戸末期~明治初期

    姫路革が使われた飯盒入れ。大豆のような楕円形の飯盒を入れていたものとみられる。これは兵式飯盒と呼ばれ、日本には江戸時代末期~明治維新の西洋式軍学とともに広まった。蓋部には金色の革が用いられ、腰ひもを通すための革製の環も付属している。

  • EINSPIRE DESIGN

    満⽉

    まんげつ

    ⼀晩中夜道を明るく照らす満⽉は、昔の⼈々の⼤きな助けとなった。古くから道中を背負い歩く袋物として、⽕打袋や丁銀袋があった。⽉が美しく満ちた姿を現代のショルダーバッグとして、試⾏錯誤の中から完成させた。

  • 10ARCHIVE

    雑嚢

    ざつのう

    江戸末期

    武具に用いられ発展した、姫路革の雑嚢。当時の衛生兵が使用したもので、動きやすいよう太い肩掛けがついている。蓋は二重になっていて、内蓋は脇から中のものが簡単に落ちない仕組みに。

嚢と月

江戸の粋は、
今日の私たちに何をくれるのだろう。

嚢・ Fukuro。
江戸の人々が持つ装身具を嚢物という。
煙草入れ、巾着袋、入れるものに合わせて作られた自由な形。
機能だけではない。手にする姿が粋か、否か。
その想いに職人たちのものづくりの技が応えてきた。

月・ Tsuki。
姿を変えて私たちの日々に愉しみをくれる。
十五夜、月見酒、その満ち欠けを愛でる気持ちは江戸の風情。
今日も季節を愉しむ気持ちを私たちにくれる。

嚢が月と出会った。
江戸の嚢物に込められた職人たちの技と
新しいクリエイティビティが出会った。
姿を変える月のように、未来へしなやかな可能性を
感じさせるBagが生まれた。

寺内 ユミ

Terauchi Design Office Co., Ltd.代表
クリエイティブディレクター・デザイナー

インテリアデザインオフィス、インテリアショップでの企画経験を経て1998 年に独立し、Terauchi Design OfficeCo., Ltd.を設立。デザイン・ディレクション業務及び現代美術の領域での活動に従事。アイデンティティ確立のための一貫的で多面的なクリエイティブワークを得意とする。自然や情景、日本の美意識を大切にした本質を捉えたプロダクトを発信している。グッドデザイン賞、RedDot Design Awardなど多数受賞。2022年、アートブック「There I sense something」を出版し、第25回日本自費出版文化賞“大賞”受賞。佐賀県唐津市に新しい工芸の魅力を伝えるギャラリー“TOKIWAGI”を開設。

日時
2023/1/27(金) - 28(土)
時間
10:30-18:00
場所
銀座伊東屋B1 Inspiration Hall
東京都中央区銀座2-7-15
主催
東日本バッグ工業組合

この展覧会は、東京都中小企業団体中央会の令和4年度中小企業新戦略支援事業(団体向け)に係る特別支援「デジタル技術活用による業界活性化プロジェクト」として実施されております。

© 2022 BAG MAKERS TOKYO